弁護士法人中部法律事務所の法律相談からご依頼までの手続きや弁護士費用等に関するよくあるご質問です。
協議離婚とは、夫婦の協議・話し合いによって、離婚することに合意し、離婚届を作成、市町村役場に提出して離婚することをいいます。
協議離婚では、離婚届の提出が離婚の成立要件となっています(創設的届出といいます)。
調停離婚とは、家庭裁判所で行われる離婚調停において、調停委員を交えながら、当事者夫婦が話し合い、離婚に合意し、調停が成立した場合に離婚することをいいます。
審判離婚とは、調停に代わる審判によって離婚することをいいます。
離婚調停が行われたものの調停が成立しなかった場合において、家庭裁判所が相当と認めるときに、一切の事情を考慮して、職権で、離婚調停の成立に代えて離婚する旨の審判をします。当事者から適法な異議の申し立てがなければ、審判が確定し、離婚が成立します。当事者から異議の申し立てがあった場合、離婚は成立しません。
裁判離婚とは、調停で離婚が成立しなかった場合に、離婚訴訟を提起し、裁判所での審理を経て、離婚することをいいます。
裁判離婚は、原告の離婚請求が判決で認められ離婚する判決離婚、離婚裁判で和解が成立して離婚する和解離婚、被告が原告の離婚請求を認諾(原告の請求を全面的に認め承諾することをいいます)して離婚する認諾離婚があります。
調停離婚では、離婚調停が成立して調書にその旨が記載されたときに、離婚が成立します。
和解離婚や認諾離婚も同様に、和解が成立又は被告が原告の請求を認諾して、調書にその旨が記載されれば、離婚は成立します。
他方、審判離婚では調停に代わる審判、判決離婚では離婚を認容する判決が、それぞれ確定したときに、離婚が成立します。
以上のとおり、協議離婚を除く離婚方法では、離婚の成立要件に離婚届の提出は含まれていません。いずれの離婚方法も、離婚届を提出することなく離婚は成立します。
しかし、離婚した事実を報告し、戸籍に反映させるために、離婚届を市町村役場に提出する必要があります(報告的届出といいます)。
協議離婚以外の方法で離婚した場合、離婚が成立した日から10日以内(離婚が成立した初日も算入されます)に、それぞれ必要書類を添付の上、離婚届を市町村役場に提出する必要があります。
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離婚の種類 |
期限 |
必要書類 |
□ |
協議離婚 |
なし |
□戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出する場合) |
□ |
調停離婚 |
調停成立から10日以内 |
□戸籍謄本(同上) |
□調停調書謄本(家庭裁判所で入手) |
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□ |
審判離婚 判決離婚 |
審判/判決確定から10日以内 |
□戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出する場合) |
□審判書謄本/判決書謄本(家庭裁判所で入手) |
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□審判確定証明書/判決確定証明書(家庭裁判所で入手) |
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□ |
和解離婚 認諾離婚 |
和解成立/認諾から10日以内 |
□戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出する場合) |
□和解調書謄本/認諾調書謄本(家庭裁判所で入手) |
協議離婚は、夫婦が離婚に合意し、離婚届を市区町村役場に提出することで、離婚が成立します。
離婚届提出時に、夫婦が離婚に合意しているかを確認されることもありません。
簡易な手続きで離婚を成立させることができる一方、夫婦が離婚に合意していないにもかかわらず、離婚届が提出されてしまうリスクがあります。
このような危険を防ぐ方法として、離婚届の不受理申出制度があります。
協議離婚の成立には、離婚届を提出するときに、夫婦双方に離婚する意思が必要です。
したがって、離婚届不受理申出制度は、次のような事例で、活用することができます。
・離婚する意思がない、相手が離婚届を知らない間に提出してしまう可能性がある
・親権などの条件次第で離婚していいと思っているが、離婚条件の合意ができていない
・離婚していいと思い、自分で離婚届に署名押印をしたが、その後気が変わった
申出人本人が、申出人市区町村役場(本籍地以外も可)の窓口に出向いて、離婚届不受理申出書を提出します。
離婚届不受理申出書が提出されると、申出人本人以外からの離婚届が受理されなくなります。
また、申出人本人以外が離婚届が提出しようとした場合、市区町村役場から、申出人に対し、離婚届の提出があったが不受理にした旨の通知がされます。
離婚届不受理申出書は、原則として郵送提出できません。
離婚届不受理に有効期限はなく、一度提出しておけば、申出人本人が取り下げるか、離婚届を提出しない限り、効果が継続します。
離婚届不受理申出をした場合、市区町村役場などから、相手に対して、離婚届不受理申出があったことを通知されることはありません。
ただし、その後、相手が離婚届を提出しようとした場合に、受理されないことで、相手方は、離婚届不受理申出が出されていたことを知ることになります。
したがって、相手が何もしない限り、離婚届不受理申出をしたことを知られることはありません。
離婚調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に管轄があります。
夫婦が遠方で別居している場合、相手方の住む遠方の家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。
もっとも、離婚調停をどこで行うかは、夫婦の合意できることができます。
したがって、夫婦間に管轄の合意があれば、夫婦が合意で定めた家庭裁判所に離婚調停を申し立てることもできます(合意管轄といいます)。
なお、この合意は、書面又はパソコンなどのデータ記録でする必要があります(家事事件手続法245条条2項、民事訴訟法11条2項、同条3項)。
相手方が遠方に住んでおり、合意管轄がないにもかかわらず、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所に離婚調停を申し立てた場合、申し立てた先の家庭裁判所には管轄がありません。
そのような場合、原則として、管轄のある相手方の住所地の裁判所に、事件が移送されます。
例外的に、申立先の家庭裁判所が、特に必要があると認めるときは、申立先の家庭裁判所で離婚調停が行われます(自庁処理といいます)。
遠方の家庭裁判所で離婚調停を行うと、調停期日に出頭するたびに、交通費、移動時間、弁護士の出張費用がかかるなど、過大な負担を強いられることになります。
このような負担を回避する方法として、家事事件手続法上、テレビ会議システムを利用して、離婚調停を進める方法が認められています(同法258条、54条)。
テレビ会議システムを利用したいことを家庭裁判所に上申し、認められれば、調停期日のたびに遠方の家庭裁判所へ出席する必要はなくなります。
ただし、テレビ会議システムでは、離婚調停を成立させることはできません。
離婚調停を成立させる期日では、遠方であっても、管轄の家庭裁判所に出向く必要があります。
法律が定める「離婚原因」があれば、離婚できます。
離婚原因とは、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④回復見込みのない強度の精神病、⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由です。
⑤の例としては、DVなどがあげられます。これらの離婚原因の存在を裁判で証明できれば、離婚が認められます。
不貞行為とは配偶者以外の者と性的関係を結ぶことです。したがって、性的関係(肉体関係)があることを立証しなければならず、単に親密なメールのやりとりをしている事実や、デートをした事実を示す証拠だけでは足りないといえます。比較的強力な手段としては、ラブホテルを利用している写真、肉体関係に触れている内容のメールなどが考えられます。
慰謝料は常に請求できるとは限りません。相手に責任があって、やむをえず離婚に至った場合、これを一種の不法行為と見て、離婚により被った精神的苦痛について損害賠償(慰謝料)請求できます。
したがって、なんとなく性格が合わないので話し合って離婚を決めた場合などには慰謝料は発生しません。また、自分に離婚の原因がある場合には、むしろ相手から慰謝料を請求される可能性があります。
婚姻期間の長さや不貞関係の態様、長さ等によって異なりますが、平均的に見れば150万円~300万円となることが多いかと思います。
婚姻期間中に夫婦の協力で得た財産については、名義にかかわらず財産分与の対象となります。ただ、ローンが残っている場合、不動産の価値からローン残額を差し引いて、残った価値についてのみ財産分与を考えるのが基本となります。
結婚前から所有している財産や、結婚後に相続で取得した財産は、特有財産といって、財産分与の対象となりません。
支給の蓋然性が高ければ、財産分与の対象になります。具体的な分与方法については、裁判例によって違いがあります。
(千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・守山区・緑区・名東区・天白区)
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