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遺言と異なる遺産分割協議(平成25年8月8日)

 遺言の内容と異なる遺産分割協議は可能でしょうか。この点については、遺言の内容によって、扱いが異なります。以下2つに整理してみます。

 

遺言の内容が遺産分割方法の指定と解される場合

 

 代表的なのは、いわゆる相続人に「相続させる」旨の遺言のケースです。相続させる旨の遺言とは、例えば「長男の山田太郎に名古屋市○○の土地を相続させる」という内容の遺言のことです。

 

 この場合には、遺言の内容と異なる遺産分割協議はできないと解されています。「相続させる」旨の遺言は、遺産分割方法の指定(民法908条)を定めたものであるため、被相続人死亡と同時に直ちに相続人に確定的に承継されるためです(平成3年4月19日最高裁判決)。

 

 ただし、相続人全員が遺言内容を知った上で、遺言内容と異なる遺産分割協議を行うことは裁判例でも認められています(さいたま地方裁判所平成14年2月7日判決等)。その場合の遺産分割協議は、いわゆる民法907条のそれではなく、一旦確定的に取得した相続人から他の相続人への贈与または交換的譲渡とされています。なお、遺言執行者がいれば、その同意が必要と解されています。

 

 したがって、登記手続きを行う際には、遺言による相続登記を省略することはできず、相続登記を入れた上で、贈与や交換を原因として再度移転させる必要があります。

 

遺言の内容が相続分の指定と解される場合

 

 代表的なのは、包括的に相続割合を指定する遺言のケースです。例えば、「相続割合を、長男2分の1、長女2分の1とする」という内容の遺言のことです。

 

 この場合には、相続財産は依然として遺産共有状態にあるため、遺言内容と異なる遺産分割協議を行い、直接相続を原因として登記を行うことも可能です。

 

 実務上は、一旦相続登記を入れた上で贈与や交換を原因として移転登記を申請する場合は、登録免許税の税率の関係で費用がかかるため、遺言書の内容をよく確認した上で、必要な登記を判断する必要があります。

 

(司法書士 尾﨑政友)

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