メニュー

名古屋の弁護士コラム

名古屋駅前の弁護士法人中部法律事務所 > 名古屋の弁護士コラム > 名古屋事務所コラム > 権利書を紛失した場合の手続(平成25年7月16日)

権利書を紛失した場合の手続(平成25年7月16日)

 以前、権利書に対する誤解の中で、権利書を紛失した場合には代替手続があると説明しました。

 

 今回は、権利書を紛失した場合の代替手続について、解説したいと思います。 なお、登記識別情報の紛失についても、同様の手続となります。

 

 まず、そもそも権利書の役割ですが、これは売主などの本人確認・意思確認にあります。つまり、法務局は、いちいち売主と面談して、売主本人であるか、本当に不動産を売却する意思があるのか、を確認しません。そんなことをしていたら、事務処理がパンクしてしまいます。

 

 そこで、権利を取得した際に、再発行できない特別な書類(権利書)を発行し、本人に交付し、後日その書類が提出されれば、その本人からの申請であるとみなすようにしています。

 

 例えば、Aさんが不動産を購入し、所有権を取得したとします。その際に、Aさんに対し当該不動産取得に関する権利書を発行します。そして、将来Aさんが売主として不動産を売却する際に、当時交付した権利書を提出させることで、Aさん本人が間違いなく売却の意思があると書面上担保するわけです。

 

 では、権利書を紛失した場合、どのようにして本人からの申請であると担保するのでしょうか。

 

 これには、現在2つの方法があります。

 

 1つは、事前通知という方法です。これは、法務局から登記簿上の住所に宛てて、本人限定受取郵便を送付します。送付内容は、「今回○○の内容の登記申請があったが、あなたの真意に基づくものかどうか。間違いなければ、実印を押して○○日以内に返送してください」というものです。この返送がなされるまで、登記処理はストップし、返送がなされない場合には、登記申請は却下されます。

 

 もう一つは、資格者代理人による本人確認情報の提供です。これは、資格者(弁護士又は司法書士)が代理人となっている場合で、当該代理人が本人と面談し、本人確認及び意思確認を行った旨の記録を作成し、法務局に提出することで、権利書の提出があったのと同じ効果を持たせる方法です。

 

 2つの方法とも効果は同じですが、事前通知には一つリスクがあります。それは、○○日以内に売主などが実印を押して返送しなければ、登記は却下されるというリスクです。

 

 司法書士が関与する場合、通常は2つ目の方法をとります。その理由は、売主や担保設定者というのは、当該登記によって不利益を受ける立場です。その立場の人が実印を押して返送するかしないかで、登記が完了するか却下されるかが決まるというのは、大きなリスクです。特に、買主や抵当権を設定する銀行からすると、お金は先に払ったのに、登記はいつになるかわからないというのは、受け入れがたいものです。

 

 そういった事情から、不動産の売買や担保設定が伴う場合は、必ず本人確認情報の提供という方法をとります(もちろんその分の費用は別途かかります)。そうすることで、お金の支払いと登記の変更について、同時履行が担保されます。

 

(司法書士 尾﨑政友)

ご利用にあたっての注意事項

● 記載内容には正確を期しておりますが、執筆日以降の法改正等により内容に誤りが生じる場合もございます。当事務所は、本記事の内容の正確性についていかなる保証をもいたしません。万一、本記事のご利用により閲覧者様または第三者に損害が発生した場合においても、当事務所は一切の責任を負いません。
● 本記事の著作権は当事務所に帰属します。テキスト・画像を問わず、SNS等への本記事の無断転載・引用を禁止します。また、本記事の商用利用および訴訟等へ提出する証拠としての利用を禁止します。
● 当事務所は、本記事を予告なしに変更または削除する場合があります。
● 本記事の内容に関するお問い合わせやご質問には応じられません。

名古屋事務所
春日井事務所
ご相談をお考えの方へ
対応エリア
対応エリア

●名古屋市内

(千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・瑞穂区・熱田区・中川区・港区・南区・守山区・緑区・名東区・天白区)

●愛知県全域

(一宮市、瀬戸市、春日井市、半田市、豊橋市、岡崎市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥冨市、みよし市、あま市、長久手市、愛知郡東郷町、丹羽郡、海部郡、知多郡、額田郡幸田町)

ページ上部へ