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簡単・分かりやすい民法改正解説~シリーズ2 法定利息~

今回は,簡単・分かりやすい民法改正解説シリーズの第2弾です。

 

民法が,私たちにとても身近なルールを決めている法律であることは,シリーズ“ゼロ”でお話ししたとおりです。

このルールの内,契約を中心とした債権について,大幅な変更が行われます。

今回は,重要な変更点である「法定利率」を,簡単・分かりやすく解説・説明していきます。

なお,法定利率と関連した重要な改正点として,「中間利息控除」もルール変更されますが,こちらは,シリーズ第3弾で,詳しく解説します。

まずは,その基本となる法定利率の改正を理解しましょう。

 

法定利率とは

法定利率とは、利息が発生する債権について当事者が利率を定めておかなかった場合に適用される利率です。

改正前の民法では,この法定利率は,年5%と定められています(404条)。

この法定利率は,支払期限を守らなかった場合などに発生する遅延損害金についても、当事者が特に利率を定めておかなかった場合に,適用されます(419条1項)。

例えば,交通事故の場合、事故の時点で損害賠償請求権が発生し,同時に,遅滞(返済が遅れている状態)に陥って遅延損害金も発生していくと解されています。

交通事故では,当事者が事前に遅延損害金を取り決めているということは考えられませんから,年5%の法定利率が適用されます。

つまり、被害者は諸々の損害の合計額と合わせて、事故の日から法定利率の年5%で計算した遅延損害金も請求できることになります。

 

しかし、現代の市場金利と照らして,年5%利率は,妥当といえるでしょうか。

 

市場金利との乖離

法定利率の年5%という数値は、もともとは市場金利を参考にして定められたものでした。

ですが,民法が制定されたのが明治31年ですから,参考にされた市場金利は,およそ120年前のものです。

当時は,銀行にお金を預ける等すれば,利子がついて、年5%くらいは自然に増えるだろうという時代・社会だったのです。

しかし、市場金利は変動するもので、現代は超低金利時代と言われています。120年前とは変わって,利5%の運用は一般人には難しくなってしまいました。

それなのに、年5%の法定利率を用い続ければ、当事者が法律の趣旨に反して得をしたり損をしたりすることが出てきてしまいます。

 

3%への引き下げと変動制の導入

こうした問題意識から、民法改正案では法定利率を次のように抜本的に変更することにしました(改正案404条)。

1.  法定利率は3%に引き下げる

2.  その後、3年ごとに以下のルールで見直しを行う。 過去5年分の銀行の短期貸付利率の平均を取り、基準割合とする。その時の法定利率と基準割合を比較して、1%以上の開きがあれば、1%刻みで上下に変動させる。

 

見直しの方法は少し複雑ですが、ご自身で見直す必要はありません。 「3年ごとに見直しがある」という点を覚えておき、あとは見直しのたびにきちんと利率が告示されるので、それに気をつけておけばよいでしょう。

 

変動制の導入に伴う新たな問題〜基準時はいつか

法定利率が3年ごとに見直されるとしても,具体的な債権に対する利息や遅延損害金については、基準時の利率が固定で適用され,途中で利率が変わることはありません。

問題は、いつの時点の法定利率で利息や遅延損害金を計算すべきか、すなわち法定利率の基準時が重大な関心事になるということです。

この点については、改正案が明確な基準を示しています。    

◆利息の法定利率の基準時:その利息が生じた最初の時点(404条1項)

◆遅延損害金の法定利率の基準時:債務者が遅滞の責任を負った最初の時点(419条1項)

 

このとおり,最初の利息が発生した時点,最初に支払いが遅れた時点の法定利率が,ずっと適用され,途中で利率が変わりません。

 

終わりに

今回は,法定利率の改正点を見てみました。 基本的なことですが,法定利率の適用があるのは,”当事者が利率を定めておかなかった場合”です。

当事者が,契約等で利率を定める(約定利率といいます。)ことは,民法改正の前後を問わず,有効です。

また,約定利率の定めがあれば,民法改正の影響を受けることもありません。

 

 

 

○●バックナンバーのご案内●○

0 簡単・分かりやすい民法改正解説~シリーズ”ゼロ” 民法改正の意味~

1 簡単・分かりやすい民法改正解説~シリーズ1 消滅時効~

 

 

 

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